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2024/02/29

故障予防に向けた点検のすすめ③

クーラント液(冷却水)と予防整備

2月は暦の上では「春」ですが、まだまだ厳しい寒さが残る時期です。
天気予報でも雪の予報も少なくありません。ウィンタースポーツを楽しむ方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?降雪地域や寒冷地に向かう際は、事前に自動車の点検やメンテナンスが必須です。特に普段目にする機会が少ない冷却水に不具合が生じるとエンジンがかからなくなってしまい、最悪走行不能となってしまいます。
今月は知っている様で知らない「クーラント液(冷却水)」についてお知らせいたします。

クーラント液(冷却水)の役割

クーラント液はエンジンを冷却する為の液体です。別名「ラジエター液」や「不凍液」とも呼ばれ、通常の水とは異なり、冬場でも凍結せずエンジン内部の金属部品に錆が発生しない成分が含まれている液体となります。
クーラント液が不足していたり劣化してしまった場合は、エンジンを冷却することができなくなり(いわゆる「オーバーヒート」と言われます。)、最悪はエンジン内の部品が焼き付けを起こして壊れてしまうことがあります。

クーラント液(冷却水)の種類・交換時期

クーラント液は主に2種類あります。「LLC」と呼ばれる一般的な冷却水の耐用年数は、およそ2~3年です。又、近年の新型車に使用されている冷却水は、「スーパーLLC」と呼ばれ耐用年数は7~10年となります。しかし、長期間の使用していると蒸発や劣化が発生します。蒸発して不足した場合は補充する必要があり、劣化したクーラント液は交換する必要があります。

冬季の予防整備

冬季のオーバーヒートやエンジン焼き付きを防ぐために、寒冷地等に向かう際はクーラント液の不足や濃度、経過年数に注意しましょう。特に、濃度が低い状態だと外気温の影響次第で凍結を起こしてしまう可能性があります。そのため、事前に寒冷地等の外気温を確認し、使用しているクーラント液の液量や濃度をしっかりと点検したうえで、必要に応じて補充や交換する事が必要不可欠です。
点検方法は、クーラント液の状態や液量を確認することです。これらはエンジンルーム内のリザーバータンクで確認する事ができます。多くの車のタンクは目盛付きの半透明樹脂で作られています。液面が「FULL/LOW」、「MAX/MIN」の間に収まる様にしましょう。
日頃からリザーバータンク内の液量のチェックや下回りを覗く癖をつければ、クーラント液漏れや液量不足によるオーバーヒートを未然に防ぐ事ができます。

緊急時の注意点

走行中に突然水温警告灯が点灯した場合は、クーラント漏れの可能性があります。その際は速やかに安全な場所へ車を退避させましょう。退避後は、ご自身でラジエターキャップやリザーバータンクのキャップを開けずに、ロードサービス等を手配しましょう。エンジンルーム内やクーラント液自体が非常に高温となっているので、火傷等の怪我をするリスクがあります。ロードサービス等の専門業者に対応をお願いする方が安全です。